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小説

鸞奇談 4-3

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「武官殿、無礼は百も承知で申し上げます。ここは鳳皇国を統べる王族の敷地。
 今現在、お二方はいわば姫様の客人の立場に御座います。
 申し訳ございませんが、そのことをどうかご理解をお願い致します」

「いいのよ雪那さん。ありがとう」

桃花の微笑みに、まだいい足りないという表情をしながらも静かに一歩下がる雪那。
黙っている麻子もまるで自分のことのように形の良い眉をグッとひそめている。

そんな様子に男たちは「おお、怖い怖い」とわかりやすく肩を寄せる。
その舐めきった態度は侍女たちでなくても見ていて激しく腹立たしい。

「いやはや、鳳皇国は誠に、女性の強い国でございますなぁ」

「ええ、本当に・・・・さて、挨拶も済みましたし
 そろそろ国に戻るとしましょうか・・・我が都からこの奥地は遠いですから
 早く出ないと日が暮れてしまいますので・・・ではまた、瓶覗の君・・・?」 

立っているだけで汗ばんだのか、懐から出した扇をパタパタを扇ぎながら
二人は入り口近くで待機していた臣下たちを引き連れてそそくさと城を去っていた。

庭の手入れや奥の廊下で作業をしていた他の従者や門番たちも
今までの会話が聞こえていたらしく、皆恨みがましい眼でその無駄に派手な成りをした後姿を追っている。
城の外の国民も恐らく、同じ顔をしているだろう。






――――――――――――――――――――――――――――――






「あーーーーー!!!もう!!腹立つーーーー!!何なんですかあの髭面の蝦蟇蛙たちは!」

「これ麻子、気持ちは重々わかるけど姫様の御前よ?言葉遣い直しなさい」

「あ、失礼しました;」

我慢できない!とばかりに大声を上げる麻子をたしなめる雪那。
そんな二人を背に、緊張の糸が切れたのか、桃花は大きく深呼吸をする。

「姫様、大丈夫ですか?」

「ええ、平気よ。あの程度のことは慣れているわ。心配しないで?」

気にしてないと微笑む桃花ではあるが、姫が赤子の頃から城に仕えている二人は
その清流のように淡い瞳の奥が僅かに揺れているのを見逃さなかった。

「姫・・・」

「二人とも気を遣ってくれてありがとう。あと、また仕事の手を止めてしまって
 私ったら、ダメな姫ね・・・」

「そんな!今のは姫様のせいではありませんわ!」

笑顔を絶やすことなく口を開く桃花ではあるが、明らかにあの二人がやってくる前より
声に覇気がなく疲れているように聞こえる。


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