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小説

鸞奇談(らんきだん) 1-2

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「ひーーーーーめーーーーーーさーーーーーまああああああああああああ!!!!!」



ところ変わって、ここは鳳皇国中央に位置する巨大な建物の中。名は「白銀楼」(はくぎんろう)。
この地を統べる王族の住む城だという。

「白銀」という名前の通り、美しく清潔な白を貴重に作られた趣のある造りで
中央の庭には四季折々の植物が生命を主張している。
広さも相当なもので、「住まい」というよりは巨大な迷路だ。



その城の長い長ーい廊下では…


「姫様ーーー!!どちらにいらっしゃいますかーーー!?」

「今日という今日は!観念なさいませ姫様ーーーーーー!」

女性たちの甲高い声がビリビリと響き渡っている。
どうやら大声で誰かを呼んでいるようだ。『姫様』と呼ばれる誰かを。

するとそこへ、深みのある弁柄色の衣を纏った少年が、女性の一人に声をかけた。


「随分声を荒げているようじゃが、何かあったのか?」

「あ、末摘様(すえつむさま)!」

「国王!実は・・・」

口調がやけに年寄り臭い「末摘」と呼ばれたその少年。
何を隠そう、この少年が此の国を統べる若き主である。
黄混じりの茶髪は邪魔にならないようにと一纏めにし、髪と似た色の瞳は凛としつつもどこか眠たげ。
一瞬、少女と見紛うはずの容姿は何故か「またか」という文字で多少歪められていた。

城の侍女として仕えている女たちによると、着替えの途中で姫が脱走したというのだ。
この話と末摘の表情からして、今回が初めてじゃないことはいうまでもない。


「今日で15回・・・」

「16回目で御座います」

「左様か・・・」

食い気味に数を訂正する侍女の勢いに、深い溜息を漏らす末摘。


「仕方がない、奴を探すのはワシに任せろ。おぬしらは仕事に戻るがよい」

「そんな!国王直々にそんなことをしていただくわけには・・・」

まさかの提案に侍女たちは大慌てで首を振るが、末摘は平然と続ける。

「奴のいそうな場所は大体検討がつく。昔から隠れんぼは下手じゃったからのぅ」

「かく…れんぼ…?」

「逃げた理由も単純なことじゃろうて。ほれ、はよ戻らんと仕事が終わらなくて
 おぬしらが苦労することになるぞ?ということで、解散!」

「は、はい・・・」

「では、申し訳ありませんが若君、宜しくお願いいたします」

「こちらこそ。じゃ」

勢いに押し切られる形で、侍女たちはそれぞれの持ち場へと戻っていき、あっという間に静寂に包まれる廊下。


残された末摘は…



「・・・話は聞いておったじゃろ?いい加減でてこんかーぃ」

と、誰もいないはずの天井…にしては高過ぎるが、この屋敷では通常サイズであるその場所へと声を張り上げた。



すると・・・


「えー!どうしてわかったの!?今回こそはバレないと思ってたのにぃー・・・」

鈴が転がるような愛らしい声が聞こえたかと思えば、屋根のず太い骨組みからひょこっと誰かが顔を出した。
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