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小説

鸞奇談 6-2

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「わ、私が泣いてるだなんて、そんなことないのに、紅ったら!」

口に手を当てて笑う桃花、しかし、末摘や侍女たちと笑っていた時より幾分控えめだ。

楝もそれに気付いたのか、正座から膝立ちになり

『私に嘘をついても、見破られるのはご存知でしょう?』

「う、嘘だなんて・・・」

『私じゃなくても、末摘様も他の者も、桃花様の笑顔は見慣れていますから・・・
 嘘の笑顔も、心からの笑顔も・・・』

そういって、桃花の頭を優しく撫でる。と同時に、ふっと下を向く桃花。
口元に持っていっていた手はギュッと己の着物を握り締めている。

『誰にもいいませんから、我慢しなくていいんですよ?』

その手が、声が、笑顔が、あまりにも温かくて・・・

「ふっ・・・うう・・・う・・・ひっく・・・うっ・・・」

俯いたまま、小さく嗚咽を漏らす桃花。

気丈に振舞ってはいたものの、彼女もまだ齢十五の幼き姫。
大人の心ない言葉に傷つくのも当然である。

しかし、侍女の手前、涙の一粒どころか一瞬でも暗い顔を見せられなかったのだろう。
そこは、国を統べる姫としての一種の意地だったのかもしれない。

『よく頑張りましたね、桃花様・・・大丈夫ですよ、どんな瞳の色であろうと
 桃花様は桃花様はですから・・・』

「うん・・・ぐすっ・・・ありがとう・・・楝(オウチ)・・・」

『いえいえ』

頭を上げないまましゃくりあげて泣く桃花の頭を楝と呼ばれた青年はいい子いい子と
優しく撫で続ける。その様子はまるで歳の離れた兄妹か、親子のようにも見える。


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