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小説

鸞奇談 6-3

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『皆に心配かけたくないのなら、無理に我慢しないで、いっぱい泣いて下さい
 そしてその分、いっぱい笑顔を見せて下さいね?』

その方が皆安心しますから。と微笑む瞳は気品溢れる若紫色。

薫風に揺れる灰青の髪は後ろを丁寧に結い、右の首から胸にかけて流している。
眉より少し上の部分には紐飾りが結われ、左こめかみ部分では
紫水晶のような美しい菫色の勾玉が再び、後光に反射して美しく輝く。

南京藤や臙脂鼠のような紫を貴重にしたこれまた風変わりな衣も似合っている。

「ひっく・・・ひっく・・・もう!楝、優しいからつい緊張の糸も涙腺も緩んじゃうぅー・・・!」

涙声でいう桃花に『私のせいですか?』ととぼけた声をあげる楝。

「だって・・・ぐすっ・・・撫で方も母様みたいだし・・・ぐすっ・・・ズルいよぉー!」

『ズルいといわれましても;あと私、これでも一応男なんですけどねぇー;』

確かに優しげな空気感といい、我慢していた桃花の心を解いた包容力といい
男でありながら、「母親っぽい」という言葉が何故かしっくりくる。

しかし、だからこそ桃花も安心して涙を零すことができるのだろう。
彼にはそんな不思議な魅力があるようだ。

「もう、こんな目イヤなの!・・・昔から呪いだの災いだのいわれて・・・本当にイヤ!」

やはり涙の理由は、あの言葉のようだ。
桃花の言い方からして、言われたのはここ最近ではない。

「でも・・・昔みたいに、いわれる度に泣いてたら・・・ぐすっ・・・
 困らせちゃうから・・・ひっく・・・もう、泣かないって・・・決めたんだもん!」

『はい、桃花様は着実に姫として成長されてますよ?』

「まだダメなの!私は・・・何もできないの・・・だから、強くなるしかないの・・・
 私は、この国の姫でありたいの・・・!!」

『この国の王は末摘様、姫は桃花様、他に代わりはいませんよ』

「うん、ありがとう・・・ぐすっ・・・」

ここでようやく顔をあげた桃花、泣きすぎて目も鼻の頭も真っ赤でぐずぐずだ。
でもそれが、歳相応の顔に戻ったともいえる。

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