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小説

鸞奇談 6-6

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『より穏やかに過ごせるよう、焚いておきましょうかね』

下がっているのは鞠のように丸い吊香炉。
花と扇、花弁を模した細かな細工が施された銀色の装飾
更にそれを吊るす灰桜色に染められた花結びに結われた紐
いずれもその造形美は職人芸が光る一品といって過言ではない。

「ならこれを焚いてちょうだい?」

『かしこまりました』

香炉の蓋を開け、火をつけた香を入れて蓋を閉じると、たちまち広がる爽やかな香り。
風が入ってくるおかげで、いい塩梅の香りに目を細める二人。

荷葉(かよう)の香ですか・・・これからの季節にいいですね、落ち着きます』

「でしょう?この間、頂いたもので、私も気に入っているの」

「失礼します姫様」

ここで一人の侍女の声が桃花を呼ぶ。「どうぞ」と返事をすると
盆にお茶を乗せて侍女が姿を見せる。末摘に頼まれたのはどうやら彼女のようだ。













「先日、行商から仕入れました新茶でございます、どうぞ」

「新茶、もうそんな季節なのね。ありがとう!」

桃花の笑顔にほっとしたような表情で頭を下げ、そそくさと部屋を出る侍女。
と同時に楝も御簾へ向かう。

『それでは桃花様、また夕餉に』

「ええ、本当にありがとう」

誰もいなくなった部屋の中、桃花はそっと御簾を上げ、空を見上げる。

清清しい五月晴れのの色彩、熱すぎないちょうどいい温度のお茶の味、香炉が鼻腔を擽る芳香。
頬を撫で、髪を混ぜる風の感触、鳥の囀りや人々の生活音。

五感を楽しむには十分過ぎる空間に、ほぅっと息を零す桃花。





その溜息は冒頭の時とは全く違う、幸せをかみ締めるような溜息だった。













そんな心地よい静寂が、一際喧しい二人組の声に掻き消されるまで

あともう少しだと、桃花は知る由もない・・・





























※見なくても何も困らない一口メモ※

・荷葉とは蓮の花のことで、それをイメージした清涼感ある夏の香です。
 源氏物語にも登場するそうな。

あと、香炉の使い方、若干間違ってますw間違ってるというか・・・ググりゃググるほど
奥が深すぎたので、「この世界でのお香」ってことで、ご都合主義に(笑)

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